今回は、ISO/IEC 27001とISO/IEC 27002の違いについて解説します。
ISO/IEC 27001とISO/IEC 27002は、ともに情報セキュリティに関連する規格ですが、その内容には明確な違いがあります。

ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要件を定めた規格です。つまり、情報セキュリティを適切に管理するための体制や仕組みを策定するための規格です。ISO/IEC 27001では、ISMSの導入に必要な要件や手順、運用に関する要件が規定されています。例えば、ISMSの導入計画の策定、情報資産の分類と取り扱い方針、リスクアセスメントの実施、情報セキュリティの運用と監視、そしてISMSの継続的な改善などが含まれます。

一方、ISO/IEC 27002は、情報セキュリティのベストプラクティスを定めた規格です。つまり、情報セキュリティに関する具体的なガイドラインを提供することを目的としています。ISO/IEC 27002では、情報セキュリティに関連するリスクや脅威を分析し、そのリスクに対する適切な対策を策定するためのガイドラインを示しています。例えば、情報セキュリティポリシーの策定、組織のセキュリティ文化の促進、アクセス制御、物理的セキュリティ、通信セキュリティ、そしてビジネスコンティニュイティマネジメントなどが含まれます。

つまり、ISO/IEC 27001は、ISMSの導入に必要な要件を規定する規格であり、ISO/IEC 27002は、ISMSの実施に必要な具体的なガイドラインを提供する規格となります。ISO/IEC 27001とISO/IEC 27002は、相互に補完しあい、情報セキュリティを適切に管理するために必要不可欠な規格として、企業や組織に広く導入されています。また、ISO/IEC 27001とISO/IEC 27002は、定期的な監査や改善活動を通じて、継続的な情報セキュリティの向上を実現することが期待されます。

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