2015年4月(文責)事務局長 伊藤由紀美
過日3月20日に、国際CIO学会の創立10周年を記念した午後の公開講演会等の会合に、日本CISO協会として初めて後援団体としてご協力させて頂きました。
学会URL
年次で実施している春季研究発表大会も、同日午前に実施されました。また国際CIO学会会員および招待者に参加が限定された祝賀会についてもご報告致します。
日本CISO協会からのご案内により、15名近くの皆様にご参加いただき、まことに有難うございました。(まだ弱小ではありますが、協会としても恙なく後援団体としての任務を果たす事ができました。)
春季研究発表大会
日時 | 2015年3月20日(金)2会場 9:59~11:59 各4セッション |
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場所 | 早稲田大学26号館3階会議室A,B |
研究発表(講演)
正会員の国立印刷局の矢野様と事務局長の伊藤の方で、会場Aにて以下の発表を行いました。
10:00~10:29 | 「CIOを支援するCIO補佐官の変革・創造」 国立印刷局 矢野淳士 |
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10:30~10:59 | 「経営層にみる、IT及び情報セキュリティのガバナンス~CISO Award制度導入を通した考察」 伊藤由紀美 |
研究発表大会(会場A)の状況
矢野様のご発表
伊藤の発表
2年ぶりの研究発表ですが、今回は、日本CISO協会の事務局長としての立場で、伊藤より、CISO Award制度の導入の秘話から、CISOが持つべきガバナンスの領域等について、CIOと比較して見解をお伝えしました。
またリスクマネジメントのマインドの低さについても触れています(時間不足の関係で、裏付けとなる情報やトピックのご紹介は割愛しました)。
後半のご発表
学会で委員を務めておられる戸沢先生より、東京都を例とした、IT調達における総合評価落札方式についてBABOK等を引用したご見解をお伝え頂きました(会場の公的機関にご所属の方々から鋭い質問を頂き、Q&Aも盛り上がりました)。
最後の講師の総務省の藤野様からは、情報通信関係におけるTPP交渉における日米のメカニズム等の違いについて、ゲーム理論等を用いた研究成果をご発表頂きました。
交渉において「協力」関係が成立するべく、適正なルール作りを行う事が重要とご見解を述べられました。
記念公開講演会
日時 | 2015年3月20日(金) 14:00~17:15 |
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場所 | 早稲田大学小野記念講堂 |
セッション1「超高齢社会での女性の活躍とICT利活用」
モデレータ | 早稲田大学准教授(学会常任理事)岩崎尚子 |
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パネリスト | 21世紀職業財団会長(資生堂元副社長)岩田喜美枝 インテル株式会社代表取締役社長 江田麻季子 参議院議員(元少子化担当大臣)猪口邦子 外務省経済局長 斎木尚子 |
産学官のパネリストの中では、ICT関係企業としてインテル江田社長からは、グローバル企業として、Diversityを活用するしくみを、リ・エントリー等のポリシー等を策定して進めている等のお話がありました。
一方で、受注型のICT分野は長時間業務が当たり前といった状況での女性の就業等の制約についてもお話がありました。
セッション2「ICT産業の未来と地方創生・国際展開」
モデレータ | 早稲田大学教授(学会世界会長)小尾敏夫 |
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パネリスト | NTTデータシニアアドバイザー/JISA会長/学会会長 浜口友一 総務省情報通信国際戦略局長 鈴木茂樹 沖電気工業株式会社代表取締役社長 川崎秀一 広島県CIO(都道府県CIOフォーラム前会長)桑原義幸 |
学会の月例会でも講師を務めて下さる、JISA会長の浜口会長からは、以下のスライドで、これらのキーワードを全て理解できている人はいるかという問いかけから、講演が始まりました。
サイバー・セキュリティはもとより、最近、IOTが必ず登場します。IOTは2020年に500億市場との事。総務省の鈴木情報通信国際戦略局長からも、デジタル立国の実現に向けた課題にセキュリティリスクが含まれていました。
パーティで歓談したところ、CISOは不在の為、自ら情報セキュリティ教育を実施・推進しているとの事でした。
創立10周年記念祝賀会
西銘恒三郎総務副大臣、藤重貞慶ライオン株式会社代表取締役会長(スポンサー企業)より、ご祝辞がありました。
神岡太郎一橋大学教授(元国際CIO学会会長)より、中締めのご挨拶がありました。
10周年記念行事は、無事、盛況の中で幕が下りました。
その他講演会及び祝賀会
http://cio-japan.waseda.ac.jp/IAC-Japan2015.htm
所感
CISOとCIOでは、似て非なる役割であるかと思いますが、今般は、国際CIO学会の10周年というタイミングもよく、この様な大きな行事に後援という形で参加させて頂く事ができました。
団体としては、それぞれに、大きな規模ではないかと思いますが、相互理解ができる様になって、それぞれに関心を示す企業等の組織が増える事を祈念しています。
実際、研究発表大会後も、国際CIO学会員の方でCISO協会の活動や事例等にご興味を示される方もおられ、日本CISO協会としても、今後のさらなる盛り上がりに貢献できればと思いを熱くしています。
以上